不動産屋といっても、町の不動産屋さんがどんな不動産にでもエキスパートとは限りません。そこは医者の様に、内科医、外科医、耳鼻咽喉科医など様々な分野での隔たりがあるんです。
今回は投資用仲介によくありがちな投資用ワンルーム業者と投資用一棟業者の違いを簡単に説明します。
ざっくりいうと、ワンルーム買取にめちゃくちゃ詳しい担当者が、同じレベルで一棟の買取りについても滅茶苦茶詳しいかというとNOです。
それは何故か？
どちらもエキスパートになっていたら独立しています。
平社員程度ではどちらかのエキスパートだけで大丈夫だからです。
そして、大抵の業者は自分の興味がある（＝金に出来そう）なことしか話したがりません。
ワンルーム特化の担当者なら「一棟に関しては別の担当から連絡させますね」とかなんとか言って違う人間に振って一棟については話したがらないことが多いです。
内科の先生に外科手術の事を聞いたとしても、同じ医者ですし、内容としてはざっくりとわかっているかも知れませんが、後々の事を考えると責任問題になるかもしれないし、言いたがらないですよね。同じような感覚です。
不動産に関しても、大なり小なり大きい金額が動くことにはかわりない業界なので、（利益を損なうかもしれない）適当なことは言えません。それに、ワンルームの「～千万円」の金銭感覚で育ってきている人間に一棟の「～億円」の金銭感覚はほぼ備わってないです。逆もしかり。そして、この辺も見えない壁というか格差があり、ちょっと前まで、一棟業者はワンルーム業者をかなり下に見ていました。
ただ、皆さんも知っての通り、スルガショックを受け、一棟業者はボロボロへ、いままでさんざん馬鹿にしていたワンルーム業者へ参入してくる人もいる始末。
なぜ下に見ていたかというと、不動産業界はどれだけ「楽して稼いだか」がそのままパワーバランス、ひいてはヒエラルキーを構成することが多々あります。（すべてではないですけど・・・）
一棟とワンルーム、どちらが１件の実入りが多いかといえば、もちろん一棟ですね。取り扱っている金額が千万から億にかわりますから。
一棟業者からしたら「俺は１発で何百万なのに、お前たちは何十万の稼ぎかｗｗｗダサっｗｗｗ」というのと、ワンルーム業者からしたら「一棟って売った後のフォローしないと大変そうだし自分で物件を調べることも多くてめんどくさそう・・・何よりあいつら偉そうで嫌い」
割と水と油な関係な人達が多い気がするのですが、気のせいですかね？
でも、売主になってみると、藁にでもすがりたいのはみんな一緒。なんだかプロフェッショナルな感じで話を聞いてくれる担当者にあれもこれもと聞きたくなるのは心情ですね。
そこでワンルームに関しては信頼をおいていた担当者についでに一棟の事も聞きたい！
その気持ちはわかります。
でも、やめたほうがいいです。
それが会社の代表とか役員レベルだったらまた別ですが、ただの社員は、ほぼどちらかのエキスパートであり、両方話せたとしても大してわかってません。なぜかといえば、買取に関しての決裁権をワンルームと一棟どちらももっている社員というのが、ほぼいないからです。まず決裁権そのものが一般社員には無かったりしますが、中小は意外に持ってる社員もいます。そして、もう一つの理由はワンルームも一棟も良い悪いはともかく出回っている物件が膨大なので、どっちもやってると本当に注力する物件を逃します。
良い物件を買うには業者との付き合いや情報スピード、精度、売主への近さもかなり大事になってくるので、中途半端な絡みだと良い情報は来ません。
不動産屋を動かすには、まずは（ある程度の）金ですが、次は絶対に「人柄」です。
人柄が一番！という人もいるかと思いますが、どんなに親切で付き合いやすい人だとしてもある程度、ほかのイケイケの業者に近い金額を出さなければ正直付き合いたくても付き合えません。「そこは企業努力してください！」という話です。なので、人柄が一番！なのは結構ですが、結果その不動産屋はあまり繁盛はしていないでしょう。
話が逸れましたが 笑
結果、何が言いたいかというと、不動産屋にはそれぞれ専門の分野の人間がいるので適当なことを言われて後で「聞いてた話と違う！」となりたくなかったら、ちゃんと専門の人に相談したほうがいいですよ。ということです。
「役所みたくいろいろ回された～～！！」と怒る方も多そうですが、後で嫌な思いしたくなかったら大金が動く世界なので自衛の為にも、ちゃんと「餅は餅屋」で頼んでください。という話です。
なんにせよ投資用を買った貴方は投資家なのです。いつまでもお客さん身分でいると後でしっぺ返しを食らうかもしれませんね。
